私たちは、計画のある暮らしに安心感を覚えます。
来月までに何を終わらせるのか、今年はどんな目標を達成したいのか、さらには5年後にどんな自分でありたいのか。将来の見通しが立つと、日々の生活にも方向性が生まれます。
しかし、人生は必ずしも計画どおりに進むものではありません。
突然の病気、職場の組織変更、家族の介護、あるいは思いがけないチャンスによって、それまでの予定が大きく変わることもあります。
計画が崩れると、落ち込んだり、自分の努力が足りなかったのではないかと考えたりするかもしれません。
けれども、計画が変わったからといって、人生に失敗したわけではありません。
目標管理で大切なのは、前に進む方法を知ることだけでなく、変化に対応する力を持つことです。
そもそも、計画とは何でしょうか。
計画は、未来が必ずそのとおりになることを保証する台本ではありません。今わかっている情報をもとに、進む価値があると思える道を選ぶためのものです。
状況や情報が変わるのであれば、計画にも調整の余地が必要です。
たとえば、今年中に資格を取得するつもりだった人が、突然家族の介護を担うことになったとします。
当初の予定に無理にこだわれば、心身への負担が大きくなるかもしれません。
そんなときは、学習期間を延ばしたり、週ごとの勉強時間を減らしたり、受験時期を変更したりする選択があります。
それは目標を諦めたのではなく、目標への向かい方を変えただけです。
実践的な方法の一つは、大切な目標に対して、状況別の進め方を用意しておくことです。
余裕があるときは通常の計画を進める。忙しいときは最低限の取り組みを続ける。大きな出来事が起きたときは、いったん立ち止まり、目の前の大切なことを優先する。
こうした柔軟性は、意志の弱さではありません。目標と長く付き合うための工夫です。
また、自分でコントロールできることと、できないことを分けて考えることも大切です。
時間の使い方、問題への向き合い方、周囲に助けを求めるかどうかは、自分で選べます。
一方、市場の変化、他人の判断、予期せぬ出来事までは、完全にはコントロールできません。
変えられない結果を心配し続けるよりも、自分が働きかけられることに意識を向けるほうが、次の行動につながります。
ときには、思いがけない変化が新しい可能性を開くこともあります。
予定していなかった仕事から新しい興味が生まれたり、延期した計画をきっかけに家族との時間の大切さに気づいたりすることもあるでしょう。
もちろん、すべての変化に良い結果が待っているわけではありません。受け止めるまでに時間が必要な出来事もあります。
柔軟であることは、困難を軽く考えることではありません。現実を受け止めながら、今できる選択を探していくことです。
人生には方向性が必要ですが、すべての道筋を最初から決めておく必要はありません。
本当に大切なのは、最初の計画を一切変えずにやり遂げることではなく、状況が変わっても、自分に合った進み方を見つけられることです。
次に計画が崩れたときは、こう問いかけてみてください。
「当初の道が今は通れなくても、大切なことに近づく別の方法はないだろうか?」
ときには、回り道も前進の一部なのです。